アイスランド・グリーンランド
フェロー諸島 情報ブログ
アイスランドのアイドル
パフィンの聖地はどこ?

皆さんはパフィンという鳥をご存知ですか?
ピエロのような愛くるしい顔をしており、一度その存在を知ったらファンになること間違いなしの愛嬌たっぷりの鳥。そんなパフィンは短い夏の時期にしか出会えない上に、アイスランドでも出会う場所もごく限られているというのだから、巷の銭湯で気軽に会えるアイドルと違い、運と機会に恵まれないとなかなか出会えないまさにスーパーアイドル。
そんなパフィンに高確率で出会える場所があると聞いて行ってまいりました!
脅威の99%の確率でパフィンに出会える聖地、ヘイマエイ島
アイスランド南部の島、ヘイマエイ島でパフィンが沢山観測できるという噂をききつけ早速行ってみることに。
調べてみるとヘイマエイ島の南部にPuffin Lookoutという観測小屋があるというではありませんか。
街中からでは公共交通機関はないので、レンタカーが便利で、市内から車で約10分の距離です。
ちなみに99%の観測率というのはヘイマエイ島出身のアイスランド人によるコメント。夏の季節であればまず出会えなかった事は一度もない、という彼女の長年の経験則によるものです。
小高い丘を乗り越えるとパフィン小屋があるようですが、羊がこっちだよ、といわんばかりに出迎えてくれます。こちらもアイスランドを代表するアイドルですね。

小屋の中に入ると小さなスペースに窓が約4つ。その下にさらに小窓がついており、スライド式で開けると望遠レンズを伸ばせるというもの。小屋のサイズはおそらく人が10人も入れば窮屈なレベル。人々は気配を消すかのように静かにその小窓から外を除きます。どうやらパフィンはこの小窓からのぞける崖に生息している模様。その崖とは・・・
海に向かって真っすぐ降りる急斜面にぼこぼことした穴が。よく見ると空に、そして海上に鳥らしきものが飛び交っているではありませんか。
破壊力抜群
パフィンの愛くるしさ
小屋に入って窓の前に陣取りすぐの出来事。隣の人が「いた!あそこだ!」というと全員双眼鏡と望遠カメラをそちらに集中。
いた~!
か、かわいい・・・
その強烈な破壊力といったら半端ありません。その場にいる全員の心を鷲掴み。
観客は全員興奮すると共にカメラのシャッター音がパシャパシャと小屋の中に鳴り響きます。その枚数とやら、まるで芸能人の記者会見さながら。どうやらパフィンはこの崖の小さな巣穴に住んでいるようで、餌を取りに、海へ飛び立つ瞬間に表に出てくる様子。 ひょこっと巣穴からでてかわいいお尻を見せたかと思うとまた巣穴に戻ったり、すぐ海に向かって羽ばたいてしまうので、まさにシャッターチャンスを狙うしかありません。
それはまるでもぐらたたき
無数の巣穴が存在するのですが、どこからパフィンがでてくるかは全くわかりません。なので望遠カメラを伸ばして、ある程度狙いを定めた場所でパフィンがでてくるのを待ち構えます。ちなみに皆さんは上の写真に何羽のパフィンが見えますか?
うっかり2羽と答えてしまいそうですが、実は右下の方にもひょこっと顔を出すパフィンがいるので全部で3羽この写真に収められています。これは偶然数羽が一枚に収まった写真ですが、基本的には動きのない崖をずーっと眺めていないとパフィンが頭をだしてくれない状況なので、それくらいパフィンを写真に収めるのは難しい・・・
あ、パフィン!と思ったらすぐに海上に飛び立ってしまうからです。
お風呂のアヒルのようなかわいらしさ
ふと海上に目を向けるとかわいいパフィンがまるでおもちゃのお風呂のアヒルさながらぷかぷかと浮いています。巣穴から飛び立って海に向かっては餌をとり、そうして夫婦で子育てをしているのですね~。
アイスランドではパフィンを観測できるオススメの場所はいくつかありますがそのうちのひとつはやはりヘイマエイ島。パフィンの聖地といっても過言ではありません。
またヘイマエイ島の観光はそればかりでなく、別名「現代のポンペイ」とも呼ばれ、1973年に島の火山が爆発し、居住区の1/3が飲まれる災害となりました。しかし、そこはヴァイキングの血を引くたくましきアイスランド人。現在では火山博物館を設立し、溶岩に飲まれた家を掘り起こし、そのまま展示している世界唯一の場所となりました。
ぜひアイスランドに行く際はヘイマエイ島に足を延ばされてみては?

最後も羊がお見送りしてくれました