アイスランド・グリーンランド
フェロー諸島 情報ブログ
【アイスランド映画紹介③】『隣の影』
Hæhæ (ハイハイ)!
今朝はアイスランド大使館との合同避難訓練から始まりました、Yuiです!
小さいころからずっと消火器の栓を抜いてみたかったのですが、
ついに夢が叶いました。(案外普通でした...)
エリン大使も真剣に心臓マッサージを練習されていました(*^-^*)素敵ですね。
先日グリーンランドの映画をご紹介しましたが、
本日はアイスランドの映画をご紹介します!
なんだか最近「北の国」づいてますね。
ポンポン映画の情報が入ってきます。
さて、今回ピックアップいたしますのは『隣の影』
どんな映画?
アイスランドのアカデミー賞 "Edda Awards"で
作品賞・監督賞・脚本賞・男優賞・女優賞・助演女優賞・視覚効果賞
と数々の賞を総なめした作品です。
どんな作品かと言うと(注意!多少ネタバレあり!)、
お隣さんちの木が大きく成長しすぎて
お庭に影ができちゃったおうちが
お隣さんちに文句を言いに行って、
そしたらお隣さんに相手にされず、
それどころか意地悪されたからお返ししてやって、
それがまぁなんとあれまぁって感じにどんどんエスカレートしていく...
というサスペンス映画です。
とってもざっくりでごめんなさいね。笑
感想と考察(?)
観終わった直後の私の感想は「わ、やられた」です。
前回見たアイスランド映画「立ち向かう女」が
(アイスランドの中では!)比較的ポジティブな終わり方をしていたので、
久々のアイスランドらしい終わり方に心がもわもわ(?)しました。
大半のアイスランド映画って
「わーなるほど!」とか「ハッピー☆」
では終わらないので、毎回少し覚悟して観てるんですよ。
完璧油断してました。
感想はさておき、映画を観ていて少し気付いた点があるので共有させてください('ω')
①なぜただの木陰がトラブルになるのか?
みなさんご存じのように、
アイスランドは「天気の良い日が多いとは決して言えない」国の一つです。
幸福度は高いですが、日照時間が短いがために(特に冬場)うつ病の率も高いです。
そんなアイスランドでは、太陽の光は非常にありがたく、
晴れの日には「日光浴しなきゃ!!!」とウキウキして外に出たくなります。
蒸し暑い日の続く日本では「木陰」で寝そべることこそ幸せに思いますが、
曇りだらけの寒いアイスランドでは「木陰」は太陽を遮る邪魔な奴なんですね。
ただの木陰がご近所トラブルの原因になるのも納得です。
(あそこまでエスカレートするとは思いませんでしたが...)
②現代のアイスランド・サガ?
『ヴィンランド・サガ』で注目が集まっている(いてほしい)
ヴァイキングの歴史を文書として残したものを「サガ」と言いますが、
『ヴィンランド・サガ』以外にも『エギルズ・サガ(エギルさんの物語)』や
『ニャールズ・サガ(ニャールさんの物語)』など沢山残っています。
中世のサガと現代の『隣の影』
一見関係ないように見えますが、物語の構造が似ています
(あくまで「個人的に」という話にはなりますが)。
以前「アイスランドの歴史②民主主義の始まり"アルシンギ"」でご紹介しましたが、
開拓時代のヴァイキングたちってま~~~血の気が多くて、
一度ケンカになると「奴隷→遠い親戚→兄弟→一族の長」という感じで
段階的に一家全滅するまで殺しあうんですよ。
今回の映画もちっちゃ~いトラブルから始まって、やり返して、
それに対してまた復讐して、、、そうこうしていってたら
「あらまー、あそこでやめときゃ良かったのに。」
ってとこまで行っちゃいます。
ハーフシュテイン監督はアイスランドで生まれ育ったようですが、
やはりアイスランド・サガからは影響を受けているのでしょうか?
私の深読みだったらごめんなさいね。笑