アイスランド・グリーンランド
フェロー諸島 情報ブログ
セルフォスの元乳製品工場
の中にあるスキールランド

ようこそセルフォスへ!
レイキャヴィークから車で約45分、アイスランド南部を旅する人々は必ず通る町セルフォス。
人口約1万人と南部では最大の町で、MS (= Mjólkursamsalan) というアイスランドでは一番大手の乳業会社の工場があり、1930年頃から現在もスキールやバター、牛乳など様々な乳製品がセルフォスで製造されています。

ここで先ずはスキール(またはスキル)の説明を少しさせて頂きますね。
日本でも販売されているのでご存知の方も多いと思いますが、スキールとはアイスランド独自の乳製品であり国民食です。スキムミルクからできていて、ヨーグルトをさらにこってりさせたような、また酸味はヨーグルトより控えめで厳密にはフレッシュチーズの部類に入る乳製品です。
スーパーには様々なフレーバーのスキールが並んでいて、ドリンクタイプもあったり、スキールケーキなどデザートに使われることもあります。

今回訪れるのはそのセルフォスにあるスキールランドというスキールのミュージアム。
ゴールデンサークルのルートのすぐ近くなので、旅の途中にも立ち寄って頂きやすい場所にあります。

2021年にセルフォスの中心部の一画が昔ながらのノスタルジックなスタイルに整備され、地元の人々にもとても好評で喜ばれています。

カラフルな建物のカフェやバー、観光客のみならず何より地元の人々が多く利用しています。

1929年にここにアイスランドで初めての乳製品の製造工場が建てられました。
(現在のMS乳製品工場はこの場所からすぐ近くの所にあります。)

その元乳製品工場の建物が改築され新たなスポットとして2021年に生まれ変わりオープンしました。

建物の1階はフードコート、2階にはワインバーが入っていて、今回のお目当てスキールランドとイーセイスキルバーは地下に入っています。
フードコートは北欧系のお食事からイタリアン、アジア系まで色々と入っているので、ゴールデンサークルを周られた後、レイキャヴィークに戻られる前に最後にセルフォスでご夕食を召し上がるのも良いかもしれません。

では地下1階へ!

ミュージアム内には既にスキールを試食している人々が。展示を見た後の試食が楽しみです!

入場料にスキールの試食も含まれています。

いよいよスキールランドに入場!
最初に壁面をタッチするとカラフルなイラストが浮かび上がるインタラクティブな展示が目に留まりました。絵巻物のようにスキールの歴史を見ることができます。
最初は9世紀の入植時代、ヴァイキング船に牛などの家畜も積んで人々はノルウェーなどからアイスランドに入植しました。
その頃の時代のスカンジナビア諸国ではスキールが作られていたということですが、
その後他国では忘れられ、孤島アイスランドでは、スキールを作る習わしが残ったということです。
スキールを作るのは女性の仕事だったので、母から娘を通じて「スキール菌」が40世代もの間受け継がれてきたということです。

そして近年ではスキールはアメリカやヨーロッパ、日本をはじめ様々な国で販売されるようになり、スキールはグローバルになった!という歴史をイラストとともに学べるようになっています。


中央の人工芝があるボックスのような箇所ではアイスランドの清々しい夏の香りを嗅ぐことができます。

この工場の模型は生乳から牛乳、生クリームやバター、スキムミルクからスキールやホエイができるのを分かり易く説明しています。
スキールは昔の農家では羊の乳から作られることもあったそうですが、現在は牛乳のスキムミルク(無脂肪乳)でスキールが作られており、そのため高タンパク、低脂肪、低カロリーととてもヘルシーな乳製品となっています。

現在アイスランドでも日本でも販売されているイーセイスキルの製品について。
牛乳やヨーグルトの3倍ものプロテイン(タンパク質)が含まれているそう。
これは是非食べなければなりませんね!

少し分かり難いかもしれませんが、スキールが販売されている国を示すマップです。
現在アジア圏ではなんと日本のみで販売されているそうです。嬉しいですね!

スキールを作る際に使われていた道具や写真などと共にストーリーのように展示されています。

昔のスキールの宣伝ポスター「ママもっとスキール!」と言っていますw

今ではスキールは色々なフレーバーが売られていますが、昔ながらの食べ方としてはプレーンのスキールに泡立てていない液体状の生クリーム(と追加でお砂糖やブルーベリーなど)を入れて食べるのが定番。
なのでこの宣伝ポスターにも「スキールと生クリームは国民の誉」というようなフレーズが書かれています。

お馴染みアイスランドの13人のサンタの中にはSkyrgámur=スキールをいっぱい食べるサンタがいます。農家に忍び込みスキールを食べてしまっていたのですね。

いよいよお待ちかねのスキールのテイスティング!
お隣のイーセイスキルバーから持って来てくれました。
プレーンのスキールとこの日はフルーツやアサイーがトッピングされたスキールをテイスティングさせてもらいとても美味しかったです。トッピングは日によって多少変わるそうです。
イチゴなどトッピングされたものは勿論美味しいのですが、
何よりプレーンのスキールがとてもクリーミーで美味しかったです!

そしてもっとスキールを味わいたい!という方はそのまますぐお隣のイーセイスキルバーへ直行してください!
ヨークルスアゥルロゥン氷河湖のスキールボウル、スキールを使ったBooztというドリンクなど色々ありますよ。

アイスランドにご滞在中はスーパーで色々なフレーバーのスキールを買って食べ比べるのも楽しいですし、またアイスランドは普通の牛乳 Nýmjólk や生クリーム Rjómi がとてもフレッシュで美味しいので、是非ご賞味頂きたいです。
日本未上陸のイーセイスキルバーはレイキャヴィークのN1というガソリンスタンドに併設されていたり、クリングラン・ショッピングモールのフードコートにも入っています。
機会があれば是非ボリューミーでヘルシーなイーセイスキルボウルを召し上がってみてくださいね。
https://skyrland.com/
https://olddairyselfoss.com/
https://www.iseyskyrbar.is/en-is