アイスランド・グリーンランド
フェロー諸島 情報ブログ
ヘルガフェットル
気軽に登れる聖なる山

レイキャヴィークより車で30分弱、ハプナルフィヨルズルという首都圏内のエリアにヘルガフェットルという338mの山があります。往復2時間位で上ることのできるとても親しみやすい山です。
同じく首都圏には914mのエシャ山があり、そちらの方が有名で人気ですが、天候にもかなり左右されますし少しハードルが高いので、この338mのヘルガフェットルがお気に入りの山となっています。
ヘルガフェットルは1万年前に終了した最終氷期に氷河の下で噴火した火山です。500mもの厚みの氷河の下で噴火したと云われています。

ハプナルフィヨルズルはケプラヴィーク国際空港があるレイキャネス半島に近く、このヘルガフェットルもレイキャネス半島のクリスヴィーク火山帯の一部ということです。
レイキャネス半島はついこの間8月にも噴火していた火山があり、地熱発電所やブルーラグーンの温泉があるとても地熱活動が活発な地帯です。

ヘルガフェットルは英訳するとHoly Mountain、日本語では「聖なる山」と訳されるかと思いますが、一気に崇高な名前になりますね。しかし実際ヘルガフェットルと名付けられた山はアイスランド中にいくつもあり、有名なのはスナイフェルスネス半島にあるヘルガフェットルやウェストマン諸島のヘルガフェットルです。また他にも例えばBúrfellブールフェットルもよく山に付けられる名前で、アイスランドの中にいくつもあります。(Búrとは檻やパントリーという意味。)
テーマパークよりもアドベンチャー!

このヘルガフェットル、ネットで調べるとEasy やレベル1、Moderateという情報が出てきますが、結構登りがキツイので普段慣れていない方はやはり覚悟は必要です。
そして冬場はもちろん、夏季でも滑りやすいので軽いスニーカーではなくハイキングシューズは必須です。もし何とかスニーカーで上ることができても、帰りの下りはさらに滑りやすくなっているので、ご注意を。

周りに誰もいないと岩陰から鬼でも出て来るのではないか?!と思ってしまう景観。

途中一人ずつしか通れない、かなり細まった岩の間を上って行く箇所があります。上から誰も下りて来ないのを見計らって上りますが、テーマパークのアトラクションよりもかなりリアルなアドベンチャー感を味わうことができます!

細い岩の間を上った後には真っ平な開けた部分にたどり着きます。おそらくクレーター部分なのですが真っ平で、これはクレーターの中から撮った写真です。まだど真ん中で大の字になって寝そべったことさえありませんが、きっと体にエネルギーがチャージされるのではないかと思います。
アイスランドの人々からも火山や氷河に行くととても元気になるという事を度々聞きます。
心に染み込むような絶景

まっ平なクレーターから見た夕日。ここまで登って来た甲斐があります。

クレーターを過ぎさらに登って行きます。ここは頂上のすぐ手前の部分なのですが、周囲に誰もいないと、まるで世界の頂上に立っているかのような気分に浸れます。(実際は300mくらいの地点。)
それと写真がないのですが、頂上にはゲストブック(芳名帳)があり名前を記すことができます。
このゲストブックはハプナルフィヨルズルのどなたかにより毎年1月1日に新しいものに交換されているそうです。

頂上付近より望む山の裏側の景色。
山の裏側には建物ひとつない溶岩台地が広がり、ある種の怖ささえ覚えます。

ルートとしてはこのようにシンプルに頂上まで登るか、登らず山の周りをぐるっと一周するか、または写真に見える近くの小山やクレーターまで歩く人々もいます。

首都圏に居ることを忘れそうですが、遠くにはハプナルフィヨルズルの町が見えます。

恐るべしアイスランド人マダムグループ。ランニングしながらおしゃべりしながらスイスイと頂上まで登りそして殆ど休憩することなく走って帰って行きました!
ハプナルフィヨルズルやその他首都圏の人々で運動のためにこの山に上るのを習慣としている人々が結構いるようです。先日はこれまでで最短記録で上って下りてこられた!と駐車場で喜んでいた女性がいらっしゃいましたし、いつもの散歩コースのような感じで普通に愛犬と一緒に上って来る人々もいます。

ハプナルフィヨルズルのヘルガフェットル、とてもローカルな「聖なる山」をご紹介させて頂きました。レンタカーで自由に行動される方はお天気の良い日に登って、是非ゲストブックに日本名を記してきてくださいね!