アイスランド・グリーンランド
フェロー諸島 情報ブログ
アイスランドの歴史②
「民主主義の始まり"アルシンギ"」
Hæ! (ハイ!)
みなさん~!ついに明後日(Amazon Primeでは明日)ヴィンランド・サガ始まりますよ~~!!!!
(上映会でもう一度観たけどやっぱり)ワクワクしちゃってるYuiです!
引き続きアイスランドの歴史をご紹介します!
入植直後
この前はアイスランド人のルーツやアイスランドへの入植について少しお話しましたね。
国を追い出されたかわいそうな難民だったヴァイキングたちが
安住の地を求めてたどり着いたのが「アイスランド」でした。
「『故郷を捨てなければならなかった』という同じ辛い記憶を持ったもの同士
仲良く暮らしましたとさ...」
となればよかったのですが、まーーそう上手くいきません!!
地の取り合いや殺し合いが多発してました。
ヴィンランドサガの1巻でもハーフダンという超冷酷
(仲間の頭に鎖を巻き付けて頭部にある毛を容赦なく引っこ抜く)
なお隣さんが主人公トルフィンのおうちへ「奴隷返せ」と乗り込んできます。
いやー怖すぎです。
他のサガにもご近所さんとの争いはかなり詳細に書かれているのですが、
もうほんとにしつこいくらい争い続けます。
ご近所のファミリー同士で一家全滅させあって、
なんなら互いの親戚まで巻き込んでいきますからね、
血みどろですよ。
「〇〇の仇~~!!!」と互いに殺していって、
どっちかが勝つまでやめる気ございませんって感じです。
留学中そういった史実も少し勉強したのですが、
ほんとに色んな人を巻き込むので家系図つけながら読み進めました。
新しい人がでてきて家系図に書き足したら
次の行ではもうお隣さんの親戚に殺されたりして、
「あ~~っ!せっかくこの人のおじいちゃんまで遡って家系図つけたのに!もう!!!」
なんて文句いいながら勉強してました。
いい思い出です。笑
アルシンギの登場
話を戻しますと、まぁそんなに殺しあってちゃ
(言葉通り)命が何個あっても足りないですよね。
そこで出来たのが "Alþingi(アルシンギ)" という全国議会です。
毎年6月中旬の二週間、島中から各村の代表が
現在のシングベトリル国立公園に集まって様々な議題について話し合い、
最終的に投票で解決するのです。
アルシンギでは皆平等に発言権が与えられ、
各自お隣さんとの争いに決着をつけたり、
新しい法律を提案したりしました。
※写真は議会の中心地 "Lögberg(ログベルグ)"=法の石があったと推測されているところです。
アルシンギではありませんが、ヴィンランド・サガの1巻には
各地域ごとの議会「シング」がでてきます。
トルフィンの村の人が
「ハーフダンの村とは牧草地の境界線で何度かモメてンですよ。
...双方にケガ人が出たんでこないだシングで調停してもらったばかりなんです。」
と話している最中もそれぞれの村人が
「お前のせいで腕がなくなった」「お前のせいで兄貴は足がなくなった」
とか言い合って殺し合いを始めようとします。
が「法を軽んじるものは許さん。」
という非道ハーフダンが一言で収まります。
(鎖で毛を引きちぎりはしますが)
野蛮なイメージのあるヴァイキングもある程度法には従っていたみたいですね。
アルシンギ
アルシンギは930年から始まったとされていますが、
現在もレイキャヴィクに場所を移して国会議事堂としての役割を果たしています。
それがこちら↑(結構こじんまりしてる)
ここで様々な人を守る新しい法律が制定されたんですね。
どんどんと市民の声を拾い上げて「自分たちの国」を作る、というアイスランドの民主主義は
ヴァイキング時代から脈々と引き継がれてきたものだったんでしょうね。
来週は何についてお話しようかな~~('ω')
アイスランドの歴史は(当たり前ですが)日本とは全く違うので非常に紹介してて楽しいです。