アイスランド・グリーンランド
フェロー諸島 情報ブログ
アイスランドの歴史③
「キリスト教へのゆるゆる改宗」
Góðan daginn!
みなさん、ヴィンランド・サガご覧になりました!?
私はAmazon Primeで一気見しました。
声が入ったからか、より一層それぞれのキャラが際立っていたように感じます。
第4話が待ち遠しいです。
さて、前回は荒々しいヴァイキングたちを収める方法
その①奉行所兼国会「アルシンギ」を紹介しましたね、
これはアイスランド人たちが自発的に始めたものでした。
今回は、方法その②「キリスト教への改宗」を紹介します!
どのようにキリスト教は広まっていったのか?
ヴィンランド・サガでも描かれていますが、
当時(9-10世紀)ヴァイキング=デーン人は
海岸沿いの町や村を襲撃・略奪を繰り返していたため、
周辺諸国はどうにか彼らを止められないかと頭を抱えていました。
そこで彼らが着目したのが「宗教」でした。
「戦いを貴ぶ北欧神話から争いを良いものとしないキリスト教に
ヴァイキングたちの信仰を変えちゃえばいいのでは...?!」
...ということで丁度1000年頃、ノルウェー王からの働きかけで司教たちが派遣され、
アルシンギでもキリスト教への改宗が決定されました。
が、
「戦って戦って戦いまくってヴァルハラ
(北欧神話の主神オーディンの宮殿、勇敢な戦士のみ行ける館)に行くぜー!!」
と叫ぶような人たちが
「あぁ、イエス様...!」
と素直に信仰し始めるわけがありません。
ヴィンランド・サガでも、ヴァイキングたちが
キリスト教や神父を馬鹿にするシーンが所々出てきます。
ヴァイキングA「オレ、ロンドンの聖堂でイエスの木像を見たけどよォ、
スッゲェ弱そーじゃねェ?あんなんトール神のハンマーでイチコロだって」
→一同大爆笑
(ヴィンランド・サガ 第3巻より抜粋)
では、どのようにしてキリスト教へと改宗していったのか。
その答えは...「ヴァイキングたちに都合いいようにバンバン例外認めちゃう」です。
「(本当はダメなんだけど)馬肉食べていいよ~」←まだわかる
「(一神教だから本当は絶対ダメなんだけど)北欧の神も信じていいよ~」←え、本気?
...という風に驚くほどゆるい信仰ルールが定められました。
現在のアイスランドにおけるキリスト教
結局、キリスト教のおかげでヴァイキングたちの血の気が収まったのかどうかはわかりませんが、
今では約7、8割のアイスランド人がキリスト教を信仰しています。
どんな小さな村でもほとんど教会を見つけることができます。
私がアイスランド語を学んでいた村(ゲストハウス+家2件)にもこじんまりとした教会がありました。けれど、私が出会ったアイスランド人にはあまり敬虔な人はいなかったんですよね~。
宗教ともいい意味でゆる~く付き合っているのかもしれませんね。